よくあるご質問

島津ダイアグノスティクスの製品について、お客さまからお寄せいただいたご質問とその回答を掲載しています。

グラム染色(フェイバーG)

Q菌株を外部分析(遺伝子解析)した結果、Bacillus spp. との相同性が 99.7%と報告されました。そのため、グラム染色は陽性桿菌を示すと考えられましたが、結果はグラム陰性でした。 一方劉(Ryu)の方法では陽性で、外部分析で出た Bacillus spp. の特性を示していました。この乖離について何が考えられますか?

A
Bacillus spp. はグラム不定で、培養条件、芽胞形成状態、菌株の新鮮度などが、グラム陰性化の要因で、個々の菌株に依存する現象ではないかと思われます。 これを補う意味で、Ryuの方法は支持できると思います。
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Q誤嚥性肺炎の判定、疑う場合の報告はどのようにしたらよいですか?

A
好中球に貪食されたグラム染色像、多くは複数種類の常在菌の貪食像が確認された場合には、「嚥下性肺炎を疑うグラム所見あり」とコメントを入力するとよいと思います。
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Qグラム染色と検体から推測できない菌が検出された場合、どこまで同定したら良いですか?

A
検体の種類・品質によってどこまで同定するかは異なると思いますが、無菌材料から検出した場合は起炎菌になりますので、同定が必要となります。ただし、推測できない菌に対し、種々の鑑別試験を行うと時間が掛かってしまい、結局同定できなかったということになりかねません。優先的に薬剤感受検査だけは行います。同定できないことを主治医に説明し納得していただいた場合には、グラム染色性だけでいいのではないでしょうか。もし主治医が感染症の重要な菌と考え、菌種まで同定してほしい依頼した際には、外部に遺伝子学的検査を依頼することになります。
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Q糞便検体、火炎固定でキャンピロバクターに見えるらせん菌がグラム陽性に染まって見えました。陰性に見えるところもあります。どのように解釈したらよいですか?

A
グラム陰性菌が陽性に見える場合は、染色液Aの脱色不良が多いですが、しっかり脱色操作をされているということでしたら、火炎固定時の温度が高すぎるかもしれません。
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QフェイバーGは、毒物・劇物取締法に非該当となっていますが、SDSには施錠保管することと記載されています。 施錠保管が必要な理由を教えてください。

A
当該製品につきましては、SDSの適用法令欄に記載のあるとおり毒物・劇物取締法の対象外であることは間違いございません。従って、毒物・劇物取締法上の規制として、当該製品に対する法律上の施錠義務はございません。 にも拘わらず保管方法に「施錠」の表記があるのは、当該SDSが、SDS作成を義務づけている関係法令(毒物・劇物取締法、労働安全衛生法、PRTR法)のうち、労働安全衛生法に基づき作成したSDSであり、SDSの記載内容が労働安全衛生法におけるリスクアセスメントの考えに基づき作成している点にございます。

労働安全衛生法におけるリスクアセスメントの考えにつきましては「各事業所においては従業員に対する安全衛生の観点から、職場の潜在的な危険性又は有害性を見つけ出し、これを除去、低減するため手法として労働安全衛生法における事業者の義務」とされています。そこで各事業者においては、職場で使用する試薬類の有害性、安全性に関する情報入手手段としてSDSをご利用されているとの認識から、当社としましては可能な限り有害性、安全性及びこれらのリスク低減の手段をSDSに記載して提供することを旨としております。よって、今回の施錠の表記については、法令上の記載義務というより、「施錠可能な保管場所で保管することが望ましい」という意図で「施錠」という表記を記載しています。

また、SDSの記載内容については国内法令以外にSDSの国際的なルール(GHS)もあり、その中でリスク低減等の記載については、当該製品の使用目的、使用環境等も考慮して可能なリスク低減策を表記することが望ましいとされております。検査に関する専門的な知識を有するお客様の場合、本製品に関して施錠措置まで講じる必要はないと考えられますが、必ずしも専門的知識を有していないお客様の使用も想定されることから、このような表記となっております。
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QフェイバーGと排水基準 フェイバーGについてのMSDSを拝見しました。 使用後の排水についてお伺いしたいことがあります。 フェイバーGの染色液、脱色液にはピクリン酸が使われているようですが、食品工場の検査室でグラム染色を行った場合、水質汚濁防止法等に違反するようなことはあるのでしょうか。

A
お問い合わせのフェイバーG脱色液のピクリン酸は、水質汚濁防止法等の排水規制対象物質ではございません。 グラム染色において脱色操作を行う際は、大量の水で洗い流していただきますようお願いいたします。 容器の中身をそのまま廃棄する場合は、廃棄物の規定に従って処理してください。
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Q血液培養で発育した腸球菌と肺炎球菌のグラム染色で、同じに見えてしまいます。コツはありますか?

A
患者情報から、CRP値が異常高値の場合、肺炎球菌の可能性が高いです。CRPは肺炎球菌が持っているC多糖体に由来します。
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Q医療改正法に伴い、内部精度管理の実施要項が含まれております。グラム染色の内部精度管理はどのように行えばよいか情報が有ればご教示願います。施設によっては24時間体制で臨床医が行う場合もありますので これら含めて教えて頂ければ幸いです。

A
日本臨床検査技師会精度管理調査を参考にATCC由来のE. coliS. aureusで内部精度管理を行うのが一般的によいと思います。フェイバーGの添付文書においても推奨しています。
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分画培地・生培地

Qアキュレート XM-EHEC寒天培地で青いコロニーとなるO26以外の菌はありますか。他社の微生物同定装置では大腸菌と同定されました。給食従事者の検便検体です。無症状ですが、休ませた方が良いですか?

A
O26以外では、E. cloacaeなどが紫色コロニーを示す場合があります。同定菌名の確認が必要です。
EHECの場合は、無症状病原体保有者でも、感染症法上、分離・同定による病原体の検出、かつ、分離菌における次の(1)、(2)いずれかによりベロ毒素が確認された場合、届出を直ちに行わなければなりません。(国立感染症研究所 腸管出血性大腸菌(EHEC)検査・診断マニュアル に検査方法など詳細が記載されておりますので、ご参照ください。)
(1) 毒素産生の確認
(2) PCR法等による毒素遺伝子の検出
また、厚労省Q&Aに『症状がないにもかかわらずベロ毒素を産生する菌であることが確認された場合、こうした人を「無症状病原体保有者」といい、本人に症状がなくても、他の人にうつす可能性があります。そのため、感染症の法律上は、患者と同様に便の検査でベロ毒素産生菌が陰性になるまでの間は飲食物の製造や飲食物に直接接触するような業務につくことが制限されます。 なお、自然に菌が陰性化することもあり、引き続き便の検査を受けて菌が便中にいなくなったかどうかを観察する必要があります。また、抗菌剤を使って治療することも菌の陰性化に有効ですが、これらも含めて診断した医師とよく相談して対応を決めることが大切です。』と記載されております。
参考リンク:国立感染症研究所 病原体検出マニュアル-腸管出血性大腸菌(EHEC)検査・診断マニュアル
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Qヘリコバクター培地にキャンピロバクターは発育しますか?また、ヘリコバクター・シネディは発育しますか?

A
ヘリコバクター培地にヘリコバクターが発育する環境は、酸素濃度が5%以下の低い環境です。キャンピロバクターは酸素濃度が5~10%の環境で発育するため、ヘリコバクター培地には発育しません。また、ヘリコバクター・シネディは、水素が無いと発育しないことが知られており、スギヤマゲンから水素発生剤が販売されています。日本臨床微生物学会誌Vol.18 No.4に、愛知学院大学との共同研究論文「Helicobacter 属菌種迅速検出のための各種市販培地の性能評価」が報告されておりますので、そちらをご参照ください。 
参考リンク:Helicobacter属菌種迅速検出のための各種市販培地の性能評価」日本臨床微生物学会誌Vol.18 No.4
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Q島津ダイアグノスティクスの生培地の保管温度は、4~10℃と記載されています。ISO15189の審査において、その理由を問われました。ご回答をお願い致します。

A
保冷庫の庫内温度は中心値に対し常に一定ではなく、一般に±2℃程度の誤差を含んでおります。この誤差を考慮し4~10℃の設定にしております。 2℃設定で低温側に誤差が生じた場合0℃となり、培地の凍結リスクを回避するためです。
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Qアキュレート キャリー・ブレア-N(製品コード:06069)に使われている綿棒の大きさはどの位ですか?

A
綿棒全長は155mm、綿球を除く部の長さは140mm、綿球の直径は5mmです。製品コード:06526の滅菌綿棒(1本×300袋)が相当します。
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Qミュータンス菌を発育させる培地製品はありますか?

A
ミュータンス菌はストレプトコッカス属菌ですので、普通の羊血液寒天培地に発育すると思います。製品コード51001 アキュレート羊血液寒天培地が該当します。
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Q嫌気培養用生培地は保存も嫌気状態にするのですか?

A
使いきりが基本ですが、保管する場合は脱酸素剤を別途用意しておいて、リシールして保管するなど嫌気状態にしてください。
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QCCMA培地-EXに、ボツリヌス菌は発育しますか?

A
発育は確認されておりません。国立感染症研究所の資料をご参照ください。選択培地でありませんが、卵黄加変法GAM寒天培地または卵黄加CW寒天培地などが推奨されています。
https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/botulism121207.pdf
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β-Dグルカン検査(ファンギテック)

Qファンギテックにおけるβ-Dグルカン値のグロブリン製剤の影響について教えてください。

A
感染症学雑誌第91巻第1号で事例が報告されています。製剤によって、β-Dグルカン含有量も異なっているため、使用されているものと照合いただき、参考にしてください。なお、本論文では「IVIG 製剤の種類によってβ-Dグルカンの含有量が異なり、その使用後のβ-Dグルカン測定結果の解釈には注意が必要と思われた。」と結論されております。
http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0910010001.pdf
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Q患者のβ-Dグルカン測定値が500を超えました。希釈して再測定したいが、注射用水で大丈夫ですか?

A
検体濃度が測定範囲を超える場合は、検体を前処理した後、蒸留水(β-Dグルカンフリー)により適宜希釈してその50μLを採って主反応以下の操作を行って下さい(添付文書参照)。注射用水はグルカンフリーのはずですが、必ず供給元にご確認の上、ご使用ください。
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Qファンギテック試薬での前処理は、どのようなことが行われているのでしょうか?

A
強アルカリで検体由来のプロテアーゼを失活させ、反応に不必要なたんぱく質を変性させます。また、グルカンの立体構造を1本鎖にし、反応性を高めます。
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QQ1)ESアナライザーについて、装置の電源を入れる順番はありますか? Q2)ウォームアップにどれくらい時間はかかりますか?

A
A1)必要な台数だけ電源をいれて使用してください。PCと装置の順番にも制限はありません。 A2)ウォームアップには15分程度かかります。
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Q採血管の遠心条件について教えてください。

A
通常通りの採血管遠心条件(3000rpm×5min)です。
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Qファンギテックの主剤の溶解後の安定性を教えてください。

A
前処理中に溶解し、前処理が終了したら直ちに使用して下さい。溶解後、放置しますと発色合成基質が分解し、ブランクが上昇するリスクがあるため、時間は厳守してください。
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Qファンギテック添付文書に記載の妨害物質なしの表の解釈について教えてください。

A
記載された濃度まで影響がないことを、実際にデータを取って確認しています。それ以上についてはデータがないため何ともいえませんが、臨床的に考えられる上限でデータを取っていますので、それ以上の濃度になること自体あまりないと考えます。
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QESアナライザー装置にバイアルを挿入したときに前処理と主反応の区別はどのように行っているのでしょうか?

A
装置側では前処理と主反応の区別は行っていません。30分未満でバイアルを抜いた場合に、検体登録は残したまま、吸光度データだけがクリアされるように設計されています。再度バイアルを挿入したときは同じ検体登録で再度0分から吸光度測定が始まります。30分間バイアルを抜かなかった場合は測定終了とみなし、濃度計算を行い、結果画面に反映されます。
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Qクリプトコッカスやアスペルギルス感染症でβ-Dグルカン値は上昇しますか?

A
真菌菌種別に血清へスパイクして測定したデータが論文報告されています(生物試料分析 Vol. 35, No 4 (2012))。 本論文では、クリプトコッカスやアスペルギルスでの(1→3)-β-D-グルカン値の上昇が確認されております。
http://j-jabs.umin.jp/35/35.329.pdf
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QESアナライザー測定時にアルミキャップは必ず被せておかなければなりませんか?

A
外部からの光は吸光度測定に影響を与えますので、必ずアルミキャップは被せてください。また、その際もアルミキャップの浮き上がりがないよう、水平にしっかりと被さっていることを確認してください。
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Q手技によりβ-Dグルカンが偽高値、偽低値になる原因は何ですか?

A
次の通りです。 偽高値: ・環境要因(コンタミ) ・液量誤差(ピペット操作) 偽低値: ・混和不足、前処理不足 ・液量誤差(ピペット操作)
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Q凝固検体のβ-Dグルカン測定値への影響はありますか?

A
検体として50μL採取できれば、測定は可能です。値の精度につきましては、凝固前後で比較したデータがないため、明確ではありませんが、凝固部分にグルカンが取り込まれて、濃度勾配ができるなどの報告例はありません。
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Q前処理の時間は何故厳守なのですか?

A
基本的には時間厳守でお願いいたします。時間が短い場合、陰性検体においては検体由来のプロテアーゼ活性が残り偽陽性、陽性検体においてはグルカンの立体構造を1本鎖にし、反応性を高める作用が不十分で偽低値となる可能性があります。長い場合には コンタミリスクの増加、濃縮などの影響が考えられます。
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Q試薬を混合したところ、検体が白濁しました。測定結果に影響があるのでしょうか?

A
M蛋白が前処理時のアルカリ処理で白濁する場合があります。測定時のタイムコースを確認すると右肩上がりを示していれば正常反応と考えられます。横ばいや上凸型を示した場合は参考値扱いとしてください。
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Qファンギテックの添付文書に 「検体濃度が測定範囲を超える場合は、検体を前処理した後、蒸留水(β-Dグルカンフリー)により適宜希釈してその50μLを採って主反応以下の操作を行って下さい。」 と記載されている点について、 ①前処理をした後の検体を希釈する理由は何ですか? ②希釈には蒸留水(β-Dグルカンフリー)以外のものは使用不可ですか?また、コントロール溶解液は使用可ですか?

A
①検体によって希釈直線性が得られない場合があるためです。添付文書通りご使用ください。 ②蒸留水以外には、主剤溶解用の緩衝液もご使用いただけます。コントロール溶解液は蒸留水(β-Dグルカンフリー)です。
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イムノクロマト検査(GEテスト・CARBA5)

QNG-test CARBA5で緑膿菌の判定は可能ですか?また、緑膿菌はCIM法の対象になっていますか?

A
緑膿菌の判定は可能です。mCIMもCLSIに収載があり、対象になります。腸内細菌目細菌では1μL loopの接種に対し、緑膿菌では10μL loopの接種となります。
  CLSI
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QGEテスト イムノクロマト-CD GDH/TOXの検体希釈液にシードスワブ(キャリー・ブレア)の便を入れても検査は可能ですか?

A
検体希釈液にシードスワブ(キャリー・ブレア)の便を入れて検査はできません。シードスワブ中の培地成分が検体希釈液に入ることによって、感度低下などが起こる可能性があります。GEテスト イムノクロマト-CD GDH/TOXで検査可能な検体は、添付文書上自然排泄便のみです。シードスワブにて腸管内から採取した便は適応外です。
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QGEテスト イムノクロマト-CD GDH/TOX を24℃の場所に24時間放置してしまいました。使用は可能でしょうか?

A
使用はできません。検査結果への影響が予測できないこと、また、この後冷蔵保存しても、所定の有効期限を担保するかは不明なためです。添付文書に記載された貯蔵方法の遵守をお願いいたします。
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Q添付文書に糞便検体採取後72時間以内と記載があるが保存条件を教えてください。おむつに排泄されたものを検出する際の留意点。 菌が死滅していても検出は可能でしょうか。

A
検体採取後の保存条件は、日本臨床微生物学会 腸管感染症検査ガイドラインに、「清潔で乾燥した容器を使用。水様便や下痢便は容器の死腔が少なくなるように検体量を加減する。」と記載されております。 おむつ便については吸水ポリマーの影響が未知のため、推奨できません(添付文書上、適応外検体です)。 死滅菌については、検体中に対象の抗原が存在すれば原理的には反応しますが、生菌と比べての感度は不明です。
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QGEテスト イムノクロマト-CD GDH/TOX の週末の検体で、凍結保存した場合、GDH/TOX検査に影響は出ますか?またどのくらい安定ですか?

A
添付文書では、冷蔵で72時間と謳っております。したがって、金曜日9:00採取の検体は月曜日9:00まで可ということになります。 なお、日本臨床微生物学会 腸管感染症検査ガイドラインでは、1時間以内であれば室温、1~24時間では4℃、24時間を超える場合は-20℃凍結保存(院内検査)、培養の検体は4℃保存で2日、毒素の検査は4℃で3日、毒素検査の長期保存は-70℃(院外検査)と記載があります。
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同定・感受性検査(ライサス)

QライサスS4のクラス分類、医療機器種別、設置管理機器について教えてください。

A
ライサスS4はクラスⅠ、一般医療機器、特定保守管理医療機器です。設置管理機器には該当しません。
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QCLSIのSIRがない薬剤はどう判断すればよいですか?施設固有のSIRは付けられませんか?

A
ライサスS4では原則CLSIに記載の抗菌薬のみSIR判定区分を採用しております。CLSIに非記載のSIR判定区分には根拠が乏しく、当社からの推奨はしておりません。クラスディスクの考え方や抗菌薬メーカーのインタビューフォーム、各種サーベイランスデータ、ご施設様でのアンチバイオグラムなどを参考としたSIR判定区分の設定が考えられます。ライサスS4では、ご施設様の責任の前提で協議・合意の下、カスタマイズしたSIR判定区分の設定が可能となっております。
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Qライサスの判定結果に”NS”、”UK”が表示されますが、どういう意味ですか?

A
”NS”:Non Susceptibleの意味です。カテゴリーでI,Rの定義のない菌群と薬剤の組み合わせで、Sより高いところにMICが判定された場合にSIR欄に表示されます。”UK”:Unknownの意味です。NSの表示が出た検体に対して表示されます。
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QライサスでCREの判定となったが、確定でよいですか?

A
感染症法の届出基準に該当した場合には「CRE確定」となります。ただし、カルバペネマーゼ産生は不明です。AmpC過剰産生菌なども本基準に該当する場合があります。院内感染のリスクとなるCPEの確認にはm-CIM法などが有用です。
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QRCEB1で、「CRE疑い」が頻発します。菌種はE. cloacaeK. aerogenesです。判定基準を教えてください。

A
感染症法による医師のCRE届出基準は、腸内細菌科細菌でMEPM≧2μg/mL、またはIPM≧2μg/mLとCMZ≧64μg/mL 、の条件に該当した場合です。細菌学的に、E. cloacaeK. aerogenesは、染色体性AmpC型β-ラクタマーゼを産生することが多く、主に後者の基準に該当する場合があります。ライサスシリーズではこの法律の基準を収載しておりますので、「CRE」が表示されます。疫学的にはこれらの菌種で約半数がCREの届出基準に該当し、その多くがNon-CPEであるという報告もあります。
参考リンク:厚生労働省 院内感染対策サーベイランス(JANIS)検査部門報告1 2008~2018年公開情報を中心に
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Q尿由来検体でC. koseriでCRE疑い(MEPM=8μg/mL)となった。これは、CRE確定か?

A
MEPMのMIC≧2μg/mLで、感染症法の届出基準に該当します。ただし、Citrobacter属などは、CPE陰性でもCREの基準に該当する場合があります。感染症法では確認試験までは求められておりません。
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QAerococcus spp.の感受性はライサスで測定できますか?

A
社内保有菌株では、ライサスチューブMHBにサプリメントRSを添加することで、装置内での培養、MICの判定が可能であることが確認されましたが、所定時間培養後非発育となる株については炭酸ガス培養、インスタントリードを推奨します。なお、本菌群はCLSI法では、連鎖球菌と同様の培地処方で、35℃炭酸ガス培養となっています。
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Q質量分析機でLactobacillus paracaseriと同定(胆汁由来)された株の感受性はライサスで測定できますか?

A
現状は対象外菌種です。本菌種は、CLSIでは連鎖球菌と同様の培地処方、35℃炭酸ガス、24~48時間培養となっています。ライサスで測定する場合はライサスチューブMHBにサプリメントRSを所定量添加し、35℃炭酸ガス、24~48時間培養、インスタントリードの方法が想定されます。この方法で発育した場合は参考MICとなり、SIRは判定対象外となります。
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Q髄膜炎菌の感受性はライサスで測定できますか?

A
現状は対象外菌種です。本菌種は、CLSIでは連鎖球菌と同様の培地処方、35℃炭酸ガス、20~24時間培養となっています。ライサスで測定する場合はライサスチューブMHBにサプリメントRSを所定量添加し、35℃炭酸ガス、20~24時間培養、インスタントリードの方法が想定されます。この方法で発育した場合は参考MICとなり、SIRは判定対象外となります。
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QNVSが分離されライサス感受性を行いたいが、サプリメントRSには塩酸ピリドキサールは含まれていますか?

A
サプリメントRSは、NVS以外の連鎖球菌が対象になっており、塩酸ピリドキサールは含まれておりません。
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Qライサスの酵母様真菌の判定結果にリマーク”TG”が表示されますが、どういう意味ですか?

A
トレーリンググロース現象のことを示します。24時間で感性(S)、48時間で耐性(R)などのときに表示され、24時間の結果を採用する場合の注意喚起です。
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Qクリプトコッカスの感受性はライサスで測定できますか?

A
現状は対象外菌種です。CLSIでは酵母様真菌と同様の培地処方(培養時間は72時間)のため、菌株によっては発育するかもしれません。72時間培養のためインスタントリードを用います。この方法で発育した場合は参考MICとなり、SIRは判定対象外となります。
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簡易同定キット(IDテスト)・鑑別試験培地

Qトリコモナス検査を行う場合、尿検体は沈査をとったほうがいいですか?

A
性感染症診断・治療ガイドライン2020に、「一般的には膿汁や初尿の沈渣を用いた炎症細胞や他の細菌と併せての診断や、トリコモナス選択培地による培養検査が行われる。」と記載されておりますため、尿検体は沈渣となります。
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Qトリコモナス培地からトリコモナス培地Nに変更となったが、何が変更となりましたか?

A
試験管がスクリューからワンタッチになり、培地組成が大幅に変更になりました。これまでは濁りで判定していましたが、新しい培地では、ニュートラルレッドにより、陽性の場合は赤色から黄色に変化するため、目視確認が容易になりました。添付文書をご参照ください。
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QIDテストの判定結果における異常項目の判断基準を教えてください。

A
同定菌名のテスト項目で陽性率0.20(20%)以下にもかかわらず陽性反応を示した場合、あるいは陽性率0.80(80%)以上にもかかわらず陰性反応を示した場合には、該当するテスト項目は異常項目として項目名の略号が最大3項目まで表示されます。
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Q病原ナイセリアのスクリーニングはIDテストHN-20ラピッドを用いて、PRO、γGA、ONPの3項目にて判定すると添付文書に書かれていますが、どの様に判定したらよいでしょうか?

A
病原ナイセリアのスクリーニングは、サイアマーチン培地などの病原ナイセリア分離培地に発育した菌についてのみ適用できます。先ず、菌液を分注後プレートにフタをして好気条件下で35~37℃で1時間培養します。次に、1時間培養後プレート上で判定した3項目(PRO、γGA、ONP)の結果を陽性は+、陰性はーと添付の成績表に記入します。3項目の成績を元に、添付文書の10ページにある病原ナイセリアのスクリーニング表にあてはめて判定します。
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QIDテストの判定結果で、絶対確率と相対確率の意味を教えてください。

A
既知の菌種に対し、各テスト項目の性状があらかじめ設定されています。それらの性状と未知の菌の性状を照合し、例として既知(+)未知(+)であれば.0.9999、既知(+)、未知(-)であれば、0.0001とします。20項目に対し、これらを掛け合わせ、その積が絶対確率となります。(掛け合わせる数値は、項目によって異なります(弊社設定のエラーリスクが考慮されます))。より典型性状に近くなるほど、絶対確率は1に近づきます。相対確率は、複数の候補菌名が得られた場合、それぞれの絶対確率を分子、候補菌名の絶対確率の総和を分母としたときの百分率で表します。
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QIDテストHN-20ラピッドでは、サイアーマーチン培地から接種は可能ですか?

A
添付文書において、病原性ナイセリアの迅速スクリーニング(3項目)ではサイアーマーチン培地からの接種は可能となっております。 他の菌も含め同定する場合は、チョコレート寒天培地などの非選択培地から接種をお願い致します。
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QIDテストEB-20において、コード010433でE. coli inactiveとなりましたがこれは何を意味するのでしょうか。

A
inactiveは非典型性状を示すE.coliです。運動性陰性のE. coliですが、E. coliと同定して問題ありません。
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QIDテストHN-20ラピッドのβ-ラクタマーゼの試験法の原理は何ですか?

A
アシドメトリー法です。ホールにベンジルペニシリンカリウムが入っていて、β-ラクタマーゼにより分解すると、βラクタム環が開裂して、pHが低下します。そこにβ-ラクタマーゼ試薬を添加すると、pH指示薬にて陽性の場合黄変が確認できます。
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結核・抗酸菌検査関連製品

Q2%小川PSの”P”と”S”の意味を教えてください。

A
2%リン酸二水素カリウム培地にピルビン酸(P)と溶性でんぷん(S)を加えた培地です。非定型抗酸菌の発育性能を強化してある培地です。(抗酸菌検査ガイド2016より)
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Q小川培地の出荷期限は1か月ですが、培養は8週間必要です。培養中に有効期限切れますが大丈夫ですか?

A
培地への接種時が有効期限内であれば使用可能です。
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QNALC-NaOH試薬のリン酸緩衝液の濃度を教えてください。

A
抗酸菌検査ガイドにて、0.067Mと規定されています。
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Qプレソルブを喀痰に入れてから翌日まで保存可能ですか?

A
プレソルブを喀痰に入れてから翌日まで保存は不可です。酵素が微生物に作用することが考えられます。なお、プレソルブは調製後、遠心管に小分けして保存することは可能で、5℃で7日間、-20℃で6ヵ月間保存可能です。
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Qコード04515 NALCーNaOH試薬と、コード04525セントラップMBーA試薬は同じ試薬だと思いますが、使い方が違うのでしょうか?

A
コード04515NALCーNaOH試薬と、コード04525セントラップMBーA試薬は同じNALCーNaOH試薬ですが、04515NALCーNaOH試薬をコード04525セントラップMBーA試薬の代わりに使用することはできません。セントラップMBはA,B,C試薬をセットで使用するキットで、抗酸菌に担体を付けて、抗酸菌を集菌するのに用います。NALC-NaOH試薬は喀痰の前処理キットです。
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遺伝子検査

Qコロナ検査における唾液検体採取後の安定性について教えてください。

A
唾液検体の保存については、新型コロナウイルス感染症病原体検査の指針第4.1版に、「検体は速やかに検査に供すべきであるが、事情により保管する場合は4℃で2日程度に留めることを推奨する。」と記載があり、これが基本ですが、弊社で独自に所得したデータでは、25℃で72時間安定であることは確認しております。ただし、唾液の状態などによって変動する可能性はあります。
 
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器材

Q嫌気培養に用いる脱酸素剤に感受性用のものがあるとのことですが、実際にどういうものですか。

A
当社で販売しているアネロメイトは、三菱化学アネロパック・ケンキ(薬剤感受性用)のガス濃度変化と同様の推移になっております。
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その他

Qサーベイについてよくあるお問い合わせを教えてください。

A
サーベイのよくあるお問い合わせについては下記URLからご参照ください。
https://clinical-diagnostics.biz.sdc.shimadzu.co.jp/products/quality-control/guide/
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